2013年2月10日日曜日

下がらない高熱。。

 朝方には左手も左足も良く動いていた。
左足は何度もベットの下へ伸ばしてスリッパを履こうとする。そのたびに痩せ切ったふくらはぎがベットのフレームに当たって赤くなる。

 メガネも自分で左手で取ろうとして手助けした。視力もかなりずれている様だ。
そして髄液の圧を減らすグリセレズの点滴。少し体温が高い。37度少し有る。それが終わると今度は吐き目止め、ノバミンを入れる。これには発熱などの副作用も有るので、僕は余り入れて欲しく無かった。今は吐き気は収まっているし、その為にグリセレズを入れているんだから。

「先生の処方に成っていますので。。」
若い看護師さんがそう言われるので、仕方が無い。
けれど、しばらくすると雄一の額には汗が出て来た。体もほてっている。
すぐに看護師さんを呼んで体温を測ると38度を超えていた。
「本当に、これ要るの?」 と言うと
一旦、注入を止めて
「解熱剤を持って来ます」と言って、今度は解熱剤の注入が始まった。

 これは副作用対策のフタにフタをする、悪い循環だ。ダメならまた次のフタが来る。
いずれも根本治療にはならない。
抗がん剤を使うとその副作用対策の薬が沢山出てくる。今の保険制度の治療は根本的に間違っていると思う。医師も大変、患者も苦しむ。お蔭で大儲けしているのは製薬メーカーだ。

 後で回診の先生が来られて形通りの検診をするが、雄一の反応は無い。
 この頃から手足も動かなくなった。声をかけても聞こえていないのか、返事出来ないのか、反応が無い。
先生も「もう、吐き気止めはいいでしょう」と言って外してくれた。

 高熱を出す病気にわざと感染して熱に弱いガン細胞を叩く治療も有るようだ。けど今、そんな体力は無い。
 お昼前に看護師さんたちが、体を拭いて着替えさせてくれた。
腕や足をずっとさすってやると少し反応するような。。。右手はちょっと指先が動いたりヒジを少し曲げたりした。
 母親が手をさする姿は見ていてたまらない。。。雄一も解っているだろう。

 お昼前から体はほとんど動かなくなった。
夜には体温がまた38度を超える。9時過ぎには38.8度まで上がった。体も熱い。
看護師さんが、解熱剤の点滴ロビオンを入れる。それが終わっても10時過ぎにはまだ38.5度。
 氷まくらを変えて、脇にも冷しまくらを入れてくれた。
今はこれ以上、手は打てない。
 体は動かない。今、体の中はどうなっているんだろう。
必死で自分の免疫細胞が頑張っているんだろう。。と想像する。
 血圧も脈も少し落ち着いて来た。がんばれ!!

0 件のコメント: