今日は大阪、茨木の病院まで温熱治療の初めての診察に行く。
朝6時半には出たかったが、色々準備に手間取り家を7時前にやっと出た。
昨夜から雄一は一時退院して自宅からだが、点滴も着けたままだし、何しろ初めての事ばかりで大変だった。今の病院を一時退院と言う形になるけど、その為の準備も病院の人達が本当にしっかりやってくれた。本当に感謝したい。
中でもその点滴セットは持ち運び出来るし、小型モーターで流量をきちんと管理出来るし本当に優れものだ。これのお蔭で大阪に行く事も出来る。
順調に走り、約2時間ぐらいで茨木の病院に着いた。まだ新しい病院でガンや緩和ケアに重点を置いた病院だ。しばらく待って初めての院長の診察。
僕がお願いしたい事は全部伝えて大体希望に沿った日程で治療日程を組んでくれる。紹介状も今までの治療記録やデーターも見てもらっている。
雄一はうなずくだけだが、その紹介状を横目で追っている・・・。
9月に入院してから、治療内容や画像などは初めて見るだろう。今の病院ではあまりそんな機会が無い。
僕達でもこちらから言わないと細かなところは余り教えてくれないので、その辺りが今の病院はもっとオープンにして欲しいと思っている。
確かに患者自身が見たらショックかも知れないけどね。。。
雄一には大体の事は隠さず話しているけど全部ではない。その覗き込む姿を見ていて少し気に成っていた。
日程を確認していると先生が、「今日、たまたま11時頃に空いているからやってみますか?」と言われてすぐにお願いする事にした。
治療着に着替えてこれから、と言う時に問題が発生・・。
温熱治療は原理は電子レンジの超大型の様な物なので電磁波が強く出る。特に電子部品や治療機器には影響を与える可能性が高い。それが雄一の点滴セットの小型流量計に影響が出そうで、と担当の人が言われて今日は中止しましょう、と一時はそう成りかけた。
三重の病院やメーカーの担当に電話すると「モーターを外して自然落下にすれば大丈夫」と教えられて先日教えられた事を思い出しながらモーターを外してみたら、何とか行けそうだ。何故か天井近くまで点滴を上げないと落下してこなかったが、初めて点滴の調整までして温熱治療が始まった。
下着だけに成った雄一は可哀想なぐらい、肉や脂肪が無い。ただ、この治療は脂肪が少ない人の方が良く効くらしい。ガン細胞は42.5度から死滅し始めるらしいが、脂肪が多いと、内部をそこまで上げるのに効率が下がって脂肪などが影響を受ける事が有るらしい。母親には「絶対無理やな。」と冗談も言っていた。
体が、お腹周辺が熱く成って来て、顔には汗が出て来ている。入院治療していると汗をかく事はまずない。この汗を見て体が温まるだけでも体にはいい効果に成るだろうと感じた。
そもそも温熱治療は高熱を出したガン患者の病巣が消えてしまった事に気が付いた医師が始めた治療らしい。今でも高熱を出す病原ウイルスを患者に注射して発熱させ治療する療法もまだ有るらしい。
治療を始める前も相変わらず雄一は目標を見失い、ヤル気も無く「もうガンはイヤだ・・」と弱気で前向きさが全く無い。もう3か月入院治療をしてきてストーマ一つ取れないんだから目標も意欲もなくす気持ちは良く解る。けれどやってみないと解らない。少しでも前を見て希望を持ち続けて、苦しい時こそ笑って前に進もう!とは何度も励ますが治療を終えてもそんな気持ちは見せてくれない。でも僕らは諦めずに出来る事をやり続けるだけだ。
そんな雄一でも朝はコンビニのサンドイッチ全部と朝からから揚げ棒を食べきる。僕よりも量は多い。治療の後は病院のラーメンの麺を全部食べた。ちょっと詰まりそうで気分悪くなったけどね。
自宅に帰ってから4時過ぎにはインスタントのラーメン。7時の夕食は焼き飯を半分ぐらい。これだけ食べれば充分だろう。治療が効いて少しでも肉が付いて欲しい。
入院以来、ずっと病院に掛かりっきりで雄一の部屋の掃除も片付けも全然出来ていなかった。今回一時退院となって3日間は点滴を付けて家で過ごす。なので、今週の夜中は病院から帰ってから片付けやその準備をしていた。ずっと寝不足が続いてさすがに今日も眠い。
けれど、雄一はやっぱり家が良いのだろう。ソファーでテレビを見たり、今は自分の部屋で好きなゲームも出来る。気を紛らす事も出来るだろう。自分でストーマの処理もしているし、入院生活から少し環境も変わって気持ちも明るく、少しでも前向きに成ってくれたら嬉しい。
それにしても今日の点滴用のあの優れ物の流量計のモーターの着脱と点滴の再セットはちょっとドキドキだった。でももうこれで大丈夫。来週は21日にまた行く。
明日は子供達との楽しい野球だ。絶対に良く成る!そう信じて頑張ろう。
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