2018年10月29日月曜日

オブジーボと丸山ワクチン。。

 ノーベル賞を受賞した本庶教授の免疫療法、オブジーボ。その商品化される前の色んな情報は雄一が闘病中の6年前にもネット上では期待される薬として紹介されていた。その当時はニボルマブと言うチェックポイント阻害剤として。
 肺がんでも素晴らしい成果を上げて2017年9月には胃がんにも条件付きでは有るけれども保険適用されている。日本胃がん学会でも三時治療以降でニボルマブ(オブジーボ)を推奨されている。それらが2017年なんだよ。。
2013/11 ハワイ島サウスポイント。。

 雄一の闘病中にも色んな治療を調べた。ネット上に溢れる怪しい治療の案内も。普通のお医者さんは、あんな物!と吐き捨てるように言う。その当時はニボルマブも同じだった。免疫療法も山の様に種類が有る。でもがん難民に取ってはわらにもすがる思いなんだよ。少しでも身体に負担の少ない効果の有る治療をやってあげたい。。

 緊急を要した腹膜炎の手術の後、暫くして抗がん剤の化学治療が少しずつ始まって来た。最初は昔からの5FU。殆ど効果は無かった。そして最悪のシスプラチン。とにかくひどい毒としか思えない薬だった。食事も出来す身体は弱り益々細って行く。

 そしてタキソール。これは少し効いた。公言出来ないような腫瘍マーカーの値も半分ぐらいに落ちた。それでもすぐにがん細胞は抗体を持ち、効かなくなって来る。次第に次の手が無く成って来るそんな頃から色んな治療法を模索する。。2012年から大阪での温熱療法も始めた。保険適用が出来て信頼出来そうな病院が茨木の彩都に有った。

 その彩都の病院の近くのペットショップにまだ小さなモモがいたんだよ。その頃はバーニーズマウンテンドッグと言う犬名すら知らなかった。
 2012年2月17日ブログ ⇒ 198000円!

 そして同じ頃に昔から有る丸山ワクチン。殆どの先生は鼻にもかけない。バカにする。じゃあ、何でもう30年以上も沢山の人達が頼っているのだろう。丸山ワクチンにはAとBが有って濃度が違う。どちらか忘れたがどちらかが10倍の濃度が有る。がんの進行度などに寄って使い分けの指示をしてくれる。東京の日本医科大学病院まで行った。近くの病院にも皮下注射のお願いをして了解を頂いた。中央病院の主治医の先生にも了解を頂いた。そこまでやって初めて丸山ワクチンが使える。

 丸山ワクチンも一種の免疫療法だ。同じ成分で丸山ワクチンより20倍の濃度が有るアンサー20と言う薬品は放射線治療後の白血球減少、免疫アップの為の治療薬として承認され使用されている。だから薬剤としては何の問題も無い。けれどもそれでがんに効果があるかどうかは中々証明出来ない。オブジーボもそうだが免疫療法は人の免疫細胞に作用するので人それぞれその免疫力の程度が違う。同じ土壌では比較が出来ない。オブジーボの様に劇的な効果ならある程度は証明できるだろう。だから今、胃がんも含めて色んながんに承認されている。

 中央病院の主治医の先生も僕に言ったよ。。「僕がお父さんと同じ立場なら同じ事をしますよ。。」と。とても良く理解してくれていた。
 紹介状を書いてもらって名古屋のがんセンターの有名な先生にセカンドオピニオンに言ったら、長い待ち時間の後こう言ったよ。「どうしたいんですか?」ちょっとビックリした。助けたいに決まってる!こんな有名な先生達にも残りの手は少なくそれも根本的な療法は無いと言うのが解っている。色んな先進治療も聞いては見たが殆ど相手にしてくれなかった。鼻から信用していないようだしメディアが騒ぐので僕達も迷惑している、とさえ言う。

 当初はとても期待されたTS-1も効果は殆ど見られない。タキソールの後、タキソテール、そしてFOL-FOX療法。熊本まで行って代替え治療も始めかけた。彩都の温熱療法の主治医の先生に保険外だが、と免疫療法も紹介してもらい名古屋の病院で始めた。高い治療費だが4クール程行った。
 
 でもね、全てがんには敵わなかった。
それらの沢山の治療の中で身体には良かった、と思えたのは温熱療法と丸山ワクチンだけだった。どちらも劇的な効果は望めないだろうが長く続ける事の出来る治療だ。特に温熱療法は動く臓器と違って動かない乳がんのような治療には特に良いように思う。実際沢山の人が治療に来られていた。ひどい副作用の抗がん治療なんかは良くて3か月。その先にはもう効果は無く別の抗がん剤。そしてついには方法が無く成る。そんな物は少しの余命を伸ばすだけ。いや逆に短くしているかも知れない。毒なんだから。

 そして丸山ワクチン。先日に見たフェイスブックのリンクページでワンコにも丸山ワクチンを処方する動物病院が紹介されている。本庶博士のノーベル賞以来、かなりの問い合わせがある様だ。もちろん得体の知れない免疫治療も山のように有る。ネットで検索してもワンコに丸山ワクチンを処方する病院も増えているようだ。フェイスブックで紹介されていた病院に問い合わせてみたが、どのように入手しているのかは教えてくれなかった。ただ別のサイトではやはり丸山ワクチンと同じ成分で認証され市販されているアンサー20を購入してそれを希釈して使用しているようだね。

 オブジーボの当初の薬価は100mgで73万円。もし1年治療を続けたら3000万以上は掛かる。それが保険適用に成ったら、世界一と思える日本の保険制度にとても大きな影響を及ぼすだろう。国も動いてこの11月からは17万円に成るらしい。全世界で使われているオブジーボ。これぐらいの値段に成れば保険適用外でも使いたいと思う人は沢山いるのではないだろうか。これならはるかにネットに散乱する他の免疫療法よりも安いと思える。

 今でも思う。考える。他に方法は無かったかと。
最後に入院して少し落ち着いて安定していた頃、雄一が先生に
「もう、家に帰っていい?」と聞いた。言葉に出来ない程、辛かっただろうな。。先生は黙って答えられなかった。間をおいて僕が「もう少し元気に成ってからにしよう」と言った。それも間違っていなかったか、帰してあげれば良かった、と自問する。

 オブジーボが後6年早く承認されていたら助かる命も沢山有ったかも知れない。そんな事も思う。雄一も望みは有ったかも知れない。そう思う。モモやマーキュリーも人年齢で言えばもう中年を過ぎた頃だ。もしも病気にでも成ったら丸山ワクチンも良いと思う。明日は雄一の32回目の誕生日。ゆっくり過ごしたい。僕の周りの人達もワンコ達も病気無く元気で過ごしてくれるのを願うばかりだ。

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