2017年6月26日月曜日

奇跡の一本松、仙台、そしてどうしても行きたかった風の電話。

 昨夜はトラックが近くに止まり、それもエンジンを掛けたままだったので、その音がうるさく3時前には目が覚める。何とか寝ようとするがもう中々眠れない。北日本は三重よりは日の出も1時間近くは早いのかな。4時前には明るく成って来た。

 モモ達ともお散歩してすぐに出発準備。まずは南相馬の一本松を目指す。常盤自動車道を降りて国道を走っていくと。。。高速にも有ったが放射能の計測値を示す掲示板が時々出て来る。そして暫く走ると帰宅困難地域。ナビは真っすぐの指示をするがバリケードされ通行止めに成っている。左折して迂回しながら走る途中にも放射能の看板や帰宅困難地域の看板が。。まるでゴーストタウン。人がいないと町はこう成ってしまう。。ヨメとその風景を見ながら言葉が無かった。汚染物質の置き場らしき所も道路の両側に時々見える。本当に広い所で。。そんなに早くは戻れない、簡単には行かない。あと何十年かかるだろう。 
福島南相馬、かしまの一本松を新しく出来た堤防から望む。本当に1本しかない。。
そんな人気のない道路を進んで行くと、かしまの一本松が大きな堤防の手前に見えて来た。本当に長い海岸線。大きなコンクリートの無機質な堤防が続く手前に、本当に1本だけ残っている。それもまだこの木は塩害にさらされながら生きているんだ。回りには何もない。昔は長い海岸線でここには松林が延々と並び海水浴も出来たんだろうなあ。新しい堤防と今にも枯れそうな一本松。大事にこれからも生き続けて欲しいね。

かしまの奇跡の一本松。地元の人達がこの松を守ろうと募金などもしている様だね。
まだ時間は8時頃。それから5年前に行った青葉城を目指した。あの震災の後、2か月近くしてから仙台へ走った。どうしても現実を見ておきたかった。あの時は民主党政権で唯一有難いと思ったのが高速どこまでも1000円の時。あの時は片道1000円で走り切ったよ。あの時も仙台市内、青葉城辺りは被害は感じられないほど。石垣が崩れていたぐらい。町中の商店街もそんな被害はみじんも感じないし賑わっていた。けれど海岸方面へ行くとあの津波の被害が恐ろしいほど見えて来ていた。海岸に近付くほど写真を撮るのが怖い、申し訳ないぐらい、何の不自由もない自分がそこにいるのさえ罪なように感じたよ。それにあの時は雄一もまだ何の気配もなく元気だったんだよ。。何でもっと早く気付いてやれなかったんだろう。考えてやれなかったんだろう。。後悔しか残らない。自分の力のなさを悔いるばかりだ。
今日も晴天の青葉城跡
青葉城跡にはラッキーな事に伊達政宗の銅像が有る所の駐車場まで上がる事が出来た。
相変わらずマーちゃんは受付のお兄ちゃんに吠えまくり。モモもついでの様に吠える。

空は晴れて来ている。仙台市内も一望出来る。相変わらず伊達政宗の銅像も素晴らしい。以前に来た時は桜もとっても綺麗だった。また来たい。

 この後は陸前高田の奇跡の一本松を目指す。仙台市内から東北道に乗り岩手に入って国道を走り一本松を探す。。グーグルマップでも、もうその辺に有るハズなんだけど入る道が無い。国道の橋を渡ると。。海岸の方にそれは見えた。大きな堤防の手前。壊れたコンクリートの建物の前に建っている。一旦戻って入口を探すが見つからない。すると小さな看板を見つけた。奇跡の一本松の⇒。今は歩いてしか行けない様だね。
 近くの駐車場に車を止めてモモとマーちゃんを連れて歩いて行く。15分ぐらい、工事現場の中に囲われた狭い歩道を歩いて行く。回りはまだ盛り土工事だろうか。この日はダンプなど動いてはいなかった。
相当な高さの奇跡の一本松。壊れた建物も永遠に忘れてはいけない。。


一本松へ行く歩道から望む。。
この奇跡の一本松は残念ながら塩害でもう枯れてしまっているんだね。けれどもその雄姿を残そうと日本の自動車メーカーの技術者達が集まってあの姿を復元しているんだね。以前にそのプロジェクトを見た。南相馬のかしまの一本松よりは高く太くその雄姿は立派だ。その前に残されている大きく壊れた市場の建屋だろうか。更にその前には高い堤防が建ち海は見えない。でも、あの高さの津波。。想像を絶する高さだよ。。忘れてはいけない。

 その後は大槌町の風の電話へ。ここはNHKのドキュメントで見た。そして泣いたよ。一個人のお宅のガーデンに有る白い電話ボックス。中にはコードの先が繋がっていない黒電話が置いてある。想いを伝えたいノートも。そもそもこのお宅の身内の方が亡くなって、想いを伝えたいとそのガーデンに電話ボックスを置いたのが始まり。そして大震災が有り、大津波が押し寄せ沢山の人達、大事な人を亡くした人達が立ち寄るように成りいつしか風の電話と。。悩み辛い思いを断ち切れない人達、大事な人達へ少しでも想いを伝えたい、聞いて欲しいと。高台に有るこのお宅のご主人は津波に飲まれる波板の街をぼう然と見ていたそうだ。。今、そこの高さまで造成工事が盛んに続いていた。

この奥に風の電話。。

 ガーデンの中には写真撮影禁止と有った。風の電話として著作権も登録されていると。そうだろうね。ヨメが先にボックスに行って何を話しただろう。。
僕はそのボックスに入って中に有る来た人達が綴る想いのノートを見た。僕達が行ったのは3時を回っていたけどそれまでに2人が来られていて、それぞれに想いを書いている。それを見ているだけでも。。
綺麗なガーデンも有る。。
ノートにも想いを書いたよ。元気にしているか?モモとマーキュリーとお母さんと一緒に来たよ。みんな元気だよ。元気でな。。また来るから。。と。

 風の電話を出て近くの波板のホテルの駐車場近く。絶壁のような地形に建つこのホテルも被害を受けたんだろうね。その道路の上には津波の影響を示す看板が有る。津波の被害が大きかった地域では道路の上にそんな看板を良く目にした。この波板なんかはこんな所までと。。と信じられないような高さだ。


 北海道へ行くまでにどうしても行きたかった南相馬の一本松。仙台の青葉城、そして陸前高田の奇跡の一本松。そして風の電話。他の観光地なんかはどうでも良かった。それだけはどうしても見たかったんだ。また来よう。

 そこからは青森。青函フェリーを目指す。最初は下北半島の大間から函館まで乗るつもりだった。千葉へ来るまでは。昨日にフェリーの予約をしようとするがどうしても出来ない。。何でだろう、と調べてみると大間から函館は土日しか運航していない。それも一日3便だけ。平日は予約出来ないハズだ。それで仕方なく青函フェリーを予約した。28日の10時の便。朝起きて最低間に合う所まで今夜中に行けばいい。

 風の電話からナビやグーグルマップで見ると青森へ行くには一旦釜石近くまで戻って東北道へと案内する。地図で眺めると三陸沖を走れば近そうにも見えるが相当時間はかかりそうだ。ナビよりも最新の地図が反映されているグーグルマップを信用して青森を目指した。

 お風呂にも入りたいので温泉の有る道の駅が青森の平川市にいかるが関、道の駅と言うのがグーグルマップでヒットして電話してみると8時まで、と言う。それに間に合うように飛ばしたよ。風の電話から一気に走って7時過ぎには着いてすぐにモモ達のお散歩、食事。その間にヨメはお風呂へ。僕はモモ達の世話を終えてから交代で入った。出る頃にはもう8時前。20分も入れなかったけど効能が有りそうな気持ちいい温泉だった。
いかりが関の道の駅に隣接する温泉。とってもいいお湯だったよ。
お風呂入ってスッキリしてモモ達もご飯食べてそこから青森近くの広い道の駅まで少し走りそこで車中泊。前日は車やトラックのエンジン音で起こされたけど今夜はそんな事も考えて車を止めた。明日はいよいよ北海道だ!とっても楽しみ!

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